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2019年 02月 11日
『多摩丘陵の家』x『空師』

『空師(そらし)』という仕事を初めて知った。

クレーンが入らない場所などでクライミング技術と造園技術を使い高木剪定を実現する仕事だ。
空に一番近い場所で作業する職業であったことが名前の由来らしい。
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『多摩丘陵の家』 の敷地内には高さ10mを超える樹木が7〜8本あった。
自然樹形が美しく最小限の剪定で残せればと思った。
しかし昨年の大きな台風時は倒木が懸念され、道路に伸びた枝が電線に干渉、隣家からも心配の声が出ていた。
維持管理や近隣状況を考えると思い切った剪定や伐採が前提となった。
安心や安全の為には残念だが仕方ない選択だった。
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建物改修工事に先立ち、昨年10月から剪定作業が始まった。
『空師』は慣れたロープワークで剪定する枝元まで中空を登っていく。
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チェーンソーや手鋸で次々に枝を伐採していく。
電線や隣家の塀があり、切った枝をそのまま下に落とすことは出来ない。
切る枝の根元にロープを廻し、枝を逆さ吊りにして地上まで下ろす。
高度なロープワークや剪定技術と合わせ熟練が必要だと感じた。
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小さく見える枝も地上に下ろすと立派な高木だ!
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数日かけ剪定作業が終わった。

結果は想像を超えていた!

大きく剪定された数本の大木が集まり、まるで1本の株立樹木のように美しい佇まいとなり絶妙な間合いで建物の魅力も引き出していた

軽やかになった樹木に安心と安全を感じ、敷地や建物に明るく陽が注ぎ、場が凛とした空気感に包まれた。

クライアントや私にとって驚きの体験となった。
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今回の仕事は空師の千田敦司さん庭士の小野勝己さん協働によるものだ。

空師の千田さんは20代でロッククライミングを始め、山でのヘリコプター墜落事故現場において機体回収の応援を頼まれることもあるそうだ。
山梨県北杜市からわざわざ足を運んで頂いた。

庭士の小野さんの造園技術や美的感覚、協働メンバーも素晴らしかった!
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剪定された枝は薪ストーブの燃料として冬の暖かさを担ってくれる。
今回設置した蓄熱式薪ストーブ『かぐつち』様々に素晴らしい!
今後紹介したい。
(冨田享祐)
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by han-arc | 2019-02-11 15:35 | 「多摩丘陵の家」修繕・改修工事
2019年 02月 04日
「青葉台の家」上棟
週末「青葉台の家」が上棟しました。
南側の公園に向けて大きな開口、北片流れのスッキリとした形態を確認。2階に上がると目の前に公園の欅と桜が思ったより近くに望めました。
施工のバウムスタンフとは、「たまプラーザの家」「菊名の家」に続いて3棟目、棟梁も「たまプラーザの家」を施工して頂いた方で、1年ぶりの再会となりました。
これから初夏の完成を目指して、工事は進んで行きます。
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◆住まいづくりのご相談は、下記HPの「お問い合わせ」からお願い致します。(住まいづくりのご相談は無料です!)




by han-arc | 2019-02-04 19:20 | 「青葉台の家」
2019年 02月 01日
多摩丘陵の家 改修工事
昨年4月、築42年の魅力的な木造住宅に出会う機会を頂いた。
生まれ育った愛着のある住まいをなんとか住み継ぎたい!とクライアントから改修相談があった。

敷地は小田急線鶴川駅から徒歩20分程の丘の上、多摩丘陵の豊かな緑が残る地域にある。
外観の端正な姿、開口部の清々しさ、壁や天井の丁寧な板張りなどを見て「残したい建築」だと感じた。
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解決すべき課題は大きく3つあった。
①そもそも現実的な撰択なのか?という判断。
住み継ぎたい気持ちはあるが、10年程空き家としており、それなりの修繕や改修費用が必要となる。
直し始めればきりがないし、中途半端だと住み続けるにも不安が多く残る。
住み継ぐ価値がある!と思える丁度良い落とし所にたどり着けるのか?
手探りで進んでみないと判断できない状況があった。

②冬の寒さの克服
「冬のあの寒さを想像するとさすがに今は住めないです!」クライアントの実感がある。
それはそのはず、壁や天井、木サッシ廻りの気密はほぼ無い。
だるまストーブを炊けど隙間から入る冷気が足元を冷やし、消すと室温が外気温に近くなる。
夏は涼しいが冬はコタツで我慢の昔ながらの気密なき建物構成。
費用を抑えつつ、どの程度の断熱気密を担保していくか。
果たして暖かさを感じる心地良い暮らしを実現できるのか。

③建物の原型を残すこと
家づくりや暮らしに愛情を注いだ亡き母の感性を大切に引き継ぎたい!クライアントの強い思いがあった。
杉板張りの壁や天井、ナラ材フローリングなどの仕上げ、開口部枠廻りのディテールなども出来るだけそのまま残すのが前提。新たに付加するものに対しても、とても慎重な眼差しがあった。

クライアントや工務店と協議を重ね、落とし所を探り、現実的かつ魅力的バランスで改修計画がまとまった。
昨年12月半ばから工事が始まり、2月半ばの完了に向け現場が進んでいる。

今回のプロジェクトを通し「残したい建築を次世代につなぐには何が必要かを考える機会を得た。
今後、有用と感じた経験や情報は多くの方と共有していきたい。

自身と同年齢の建物が今後どのように住み継がれていくのか、自分事のように楽しみである。
(冨田享祐)


by han-arc | 2019-02-01 07:21 | 「多摩丘陵の家」